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Q Google Mapでデマ投稿された場合の対処方法

 私は、レストランを経営しています。先月くらいからパタッと客足が途絶えたので、その原因を探っていたのですが、Google Map上で、私の店舗に関して、「出てきた料理の中にゴキブリの死体が入っていたので、店主にクレームをつけると、真っ赤な顔で怒りだし、ゴキブリの死体を食べるように強要された」という全く事実無根の口コミ情報が2ヵ月くらいまでに投稿されているのを発見しました。どのように対処したらよいでしょうか。

A ① 冷静に反論投稿をする、② 投稿を削除させる、③ 投稿者を突き止め、法的責任を取らせるの3とおりの方法があります。

 Googel Mapでは、Google Map上に店舗情報が掲載されている店舗に関しては、不特定の投稿者による「口コミ情報」が掲載される仕組みとなっています。どの店舗を利用するかを判断するにあたって、この「口コミ情報」を参考にしているユーザーは多いです。したがって、ここにデマ情報を投稿されると、店の集客に与える悪影響は大きいと言えます。

 では、自分のお店に関して、「口コミ情報」としてネガティブなデマが投稿されているのを発見した場合はどうしたらよいでしょうか。

 方針としては、大きく、① 冷静に反論投稿をする、② そのデマ投稿を削除させる、③ そのデマ投稿をした人を突き止め、責任を取らせる、の2とおりにわけることができます。

 冷静に反論投稿をする。

 Googleビジネスプロフィール上その店舗のオーナーとして登録してあれば、その店舗についての個々の口コミ情報について「返信」を行うことができます。その中で、デマコメントについて反論を行うことができます。

 反論の内容としては、① 従業員等にも訊いたが、そのような事実は確認できなかったこと、② そのような体験をしたのは何年何月何日何時頃のことで、そのような対応をした店主はどのような容姿だったのかを尋ねる位で十分です。

 そのデマ投稿を削除させる。

 そのデマ投稿を削除させるためには、Googleビジネスプロフィール上その店舗のオーナーとして登録してあれば、Googleビジネスプロフィールにログインした上で、「不適切な口コミとしての報告(削除申請)」をすることができます。方法は、こちらに掲載されています。ここで重要なのは、いつ「不適切な口コミとしての報告(削除申請)」をしたのかをきちんと記録しておくことです。「不適切な口コミとしての報告(削除申請)」を送信し、「報告を受け付けました」と表示されるまでの画面を、モニター右上の日付及び時刻が表示されている部分も含め、スマホ等でビデオ撮影しておけばよいでしょう。

 1週間待ってもその口コミ情報が削除されない場合、Google LLCに内容証明郵便を送り(送付場所は、Google LLCの日本における代表者(現時点では、グーグル・テクノロジー・ジャパン株式会社)でよいのですが。)、① ○月○日に○○という口コミ情報について店舗のオーナーとして「不適切な口コミとしての報告(削除申請)」を行ったこと、② その後1週間が経過したが、上記口コミ情報は未だ削除されていないこと、③ この状態がさらに1週間続く場合には、削除及び損害賠償請求訴訟を提起する用意があることを警告しましょう。一応「再審査」というメニューはあるようですが、おそらく時間の無駄となるでしょう。

 その際、① その口コミ情報が如何なる理由でお店の社会的評価を低下させるのか、② お店の社会的評価を引き起こす摘示事実については社内調査をしたがその存在をうかがわせる根拠が見当たらなかったことをきちんと警告書に書いておきましょう。

 それでもなお、削除しない場合、当該口コミ情報の削除を求める仮処分を申し立てるとともに、当該口コミ情報の削除及び損害の賠償を求める本案訴訟を提起するのが常道です。仮処分申立ての方が結果が出るのが早いという利点はあるのですが、本案訴訟を起こして勝訴しないと予納金を取り戻せませんし、削除せず放置されたことにより生じた損害の賠償を受けることができません。

 そのデマ投稿をした人を突き止め、責任を取らせる

 今の法律ですと、コンテンツプロバイダに発信者情報開示命令兼提供命令申立てを行うと、裁判所が速やかに提供命令を発し、当該投稿に用いられたアクセスプロバイダの名称・所在地に関する情報を、コンテンツプロバイダが開示請求者に開示するという立て付けになっています。しかし、Google LLCは、この提供命令の履行を速やかに行わないことで知られています。このため、Google LLCを相手にする場合は、この口コミ情報の投稿者がその投稿直前にログインした際のIPアドレスとログイン日時に関する情報の仮の開示を求める仮処分の申立てをすることになります。

 そして、Google LLCは、発信者情報を仮に開示せよという命令が下されても、素直にこれに応じないことが多々あります。このため、仮処分決定が下りたら直ちに間接強制の申立てができるように準備しておくのが常道です。

 この案件の場合、問題の口コミ情報を発見したのが投稿から2ヵ月後なので、上記手続きを取っても、アクセスプロバイダのログ保存期間に間に合うかどうか微妙です。そのような場合、一か八か、警察に被疑者不詳で告訴状を提出することも考慮に入れた方がいいでしょう。警察は、この種の告訴をなかなか受理したがりませんが、受理をしてくれれば、警察は令状を取って着々と被疑者を特定してくれます。警察に発信者情報を提供している以上、これに遅れて発信者情報開示請求が来た場合に、アクセスプロバイダも、「発信者情報を把握していない」とは言えなくなります。

 どこまで自分でやるべきか

 「不適切な口コミとしての報告(削除申請)」自体はオーナーとしてアクセスしないとできないので、店舗のオーナー自体が行わなければいけません。しかし、それ以外の手続きについては、その種の手続きに詳しい弁護士に任せた方がいいと思います。

 裁判官の中には、最高裁判例をあえて無視してでも、事実摘示ではなく、意見論評だと言える場合には名誉毀損は成立しないと言い張る人たちが相当数いるので、弁護士がちゃんと仕事をすれば勝てるとは言えないのがつらいところですが、手をこまねいていれば、そのような口コミを信じた客が離れていくだけなので、やってみるメリットはあると思います。

まとめ図

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